「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」

私たちは、日本政府にTPP交渉における「国民への説明責任を果たす」こと、衆参農林水産委員会における「国会決議を遵守する」ことを求め集まった、大阪で活動する約30団体のゆるやかなネットワークです。FBページはこちらから→https://www.facebook.com/tpposakanet/

説明不足のままのTPP批准にNO!4月25日、南森町で街宣します。

安倍内閣は、TPP関連一括法案を国会に上程し、今国会での成立を図る姿勢を崩していません。
4月中の審議が山場です。
 
■東京では、
「TPP批准阻止実行委員会」さんは毎水曜日、TPP批准阻止!アクション。

(4月13日(水)、20日(水)、27日(水)、5月11日(水))http://tpp.jimdo.com/

「全国食健連」さんは4月18から22日を連日国会行動に指定。

 

■そして、大阪では
「食・農大阪府民会議」さんが
4月19日15-16時に難波高島屋前で、街頭宣伝。
 
・私たち「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」では、
4月25日(月)17-18時
南森町天神橋商店街北側出入口で宣伝します。
 
当日は、「そうだったのか!TPP」のリーフレットも配布します。
10分でも、リーフレット配布でも、ひやかしでも。
参加できる方は、ぜひご協力ください!

【2/27(土)開催!】TPPとくらしを考える学習会「TPPってなんだ!-これだ!~TPP協定のリアルを読み解く~」

TPPとくらしを考える学習会
【2/27(土)開催!】「TPPってなんだ!-これだ!~TPP協定のリアルを読み解く~」@大阪

政府はTPPが大筋合意したと言いますが、その中身は明らかにされておらず、内閣官房の要約文では理解不能です。そこで、 TPP交渉を監視し続けてきた人たちが協力して、英文の協定文を分析しました。 分析チームの一員でもあり、衆議院議員時代からいち早くTPPの危険性を指摘されてきた首藤信彦さんが、その分析から見えてきた「TPPのリアル」を読み解きます。

「食の安全は?」「国産農産物がなくなる?」「ジェネリック薬が先延ばし?」などの不安・疑問はどうなるでしょう。本当のTPPとは何か、ともに学びましょう。

◇日時:2月27日(土)13:30~16:00(13:00~開場)
◇講演:首藤信彦さん(TPP阻止国民会議事務局長)
「TPP協定を読み解くと見える日本のこれから」(仮)
◇参加費:500円         
◇会場:大阪府社会福祉会館403会議室(地図参照)

<予告>
大阪ネットワークでは、3月19日(土)13:30~16:00、TPP協定分析結果の各論にかかるシンポジウムを企画予定です。後日、ご案内します。

2月27日は、できるだけ事前に申込をお願いします。
参加申込先:メールo-shoudanren@mb8.seikyou.ne.jp
(@を全角から半角に修正してください)

FAX 06―6941―5699

◇主催:ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク

2015/12/18声明「TPP協定に係る情報を公開し、協定からの撤退を日本政府に求める」を発表。政府に提出しました。

 

「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」は、声明「TPP協定に係る情報を公開し、協定からの撤退を日本政府に求める」を発表。政府に提出しました。

 

情報公開不十分な中、10/5のTPP大筋合意。そして10/9に政府はTPP総合対策本部を立ち上げ、11/25「総合的なTPP関連政策大綱」を決定しました。でもちょっと待って。

 

①TPPの協定文が英文で公開される中、日本政府は内容不透明な概要版のみ。

②日本語での条文公開もしていない。

③TPP協定の公式言語に日本語を入れる要求もしていない。

④大筋合意にかかる内容が国会議員にすら公開されていない。

⑤大筋合意にかかる審議日程も示されていない。

⑥影響試算も、関税収入がどれくらい減るのかも分からない。

 

そんな状態で、「対策」だけ先に決まっていくことに大きな違和感を覚えます。

「どんな影響が出るのか」分からないのに、効果的な対策はできるのか?

「その対策が適正なのか」どう判断するのか?

「私たちのくらしへの影響は?」

政府は「大丈夫」というけど、その根拠を教えてほしい。

 

政府がまずやらなければならないことは、全ての情報公開と説明責任を果たすこと、そして、私たちにどんな影響を及ぼすのか明らかにすること。そして、国会決議との整合性、そして国会審議をきっちりと行うことではないでしょうか。

 

なにもかもが不十分なまま進められている、今のTPP交渉は許されません。私たちは協定からの撤退を日本政府に求めます。

 

※私たち「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」は日本政府にTPP交渉における「国民への説明責任を果たす」こと、衆参農林水産委員会における「国会決議を遵守する」ことを求め集まった、大阪で活動する約30団体のゆるやかなネットワークです。

 

 

声明「TPP協定に係る情報を公開し、協定からの撤退を日本政府に求める」

 

2015年10月 5日、TPP「大筋合意」と発表された。しかし日本政府が公表した「大筋合意」に係る資料を見れば、これらの合意は衆参国会決議に反することは明白である(※)。非関税分野では、通関の迅速化や、ISDS条項、ラチェット条項が盛り込まれ、投資、金融、サービス、政府調達、知的財産権などの分野で、WTO協定を上回る大幅な自由化に合意している。まさに、これまで私たちが懸念を指摘し続けていた項目が協定に取り込まれている。

 

TPPの協定文が英文で公開される中、日本政府は内容不透明な概要版のみで日本語での全条文公開もしていない。大筋合意に係る国会審議も行わず、10月9日政府はTPP総合対策本部を立ち上げ、「総合的なTPP関連政策大綱」を決定した。

 

米国では影響調査や法改正に必要な内容、最終協定テキスト、支援情報(効果や目標達成見込みとその根拠、過去の協定との違い)など、議会での審議ができるよう期日を区切って提供している。その他参加国が、これから議会での議論を始めようとしている中、臨時国会も開かず、対策を決定するという現在の政府の姿勢はあまりにも拙速と言わざるを得ない。

 

政府は、TPPの活用によって、中小企業を含む新輸出大国化を推し進め、「強い経済」を実現するとし、国内農林水産業の体質強化で攻めの農林水産業へ転換するという。協定内容を明らかにしないまま、かつ影響調査も出ていない状態で対策を発表しても、その妥当性を国民は判断することはできない。

 

今、政府がやらなければならないことは、「合意」内容にかかる情報を公開して国民に説明し、協定内容が国民生活にどう影響を及ぼすのかを明らかにすることである。その上で、それが国会決議に照らしてどういう意味を持つのかの国会審議を公正に行うことである。

 

以上に鑑み、「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」は、安倍内閣のTPP交渉の大筋合意に抗議し、以下のとおり、見解を公表する。

 

1 安倍内閣がTPP交渉で大筋合意に至ったと公表した農林水産物の関税措置は、衆参農林水産委員会の国会決議に反しており、認められない。

 

2 非関税分野の全体像や内容は不透明なままであり、公表されていないに等しい。日本政府は、国民に対してTPP交渉の大筋合意に係るすべての情報を公開し、その上で、国民にわかるように説明すべきである。私たちは、このような合意を認めることができない。

 

3 以上により、日本政府に直ちにTPP交渉から撤退するよう求める。

 

2015年12月18日

「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」

 

(※)日本政府が公表した「大筋合意」に係る資料によれば、工業製品の輸入関税は全廃、農林水産物の関税の95%は撤廃、残り5%については大幅な関税引き下げとなっている。とりわけ、農林水産省から公表された農林水産物の輸入関税の削減・撤廃は、各方面に大きな衝撃を与え、国内生産者の怒りを呼び起こしている。国会決議で特に指定した重要5品目(米、麦、甘味資源作物、乳製品、牛肉・豚肉)でも、30%に当たる関税を撤廃する。加えて、コメの特別輸入枠を米国、豪州に認め、小麦では米国、豪州、カナダに特別輸入枠を設けた。日本政府は、米、麦、乳製品で現行の国家貿易制度を残したことや、牛肉、豚肉におけるセーフガードを設定したこと、重要5品目の関税を残したことをもって、重要5品目を守ったと強弁している。

 

7/12開催報告 「過去からよみとく未来予想図~外国貿易障壁報告書などを受けて~」②<報告3>郵政民営化と保険商品の窓口販売

 7/12開催報告

「過去からよみとく未来予想図~外国貿易障壁報告書などを受けて~」②

 

TPPと並行して進んでいる日米協議では、日本の大幅譲歩の報道も。

1980年代に始まった「日米構造協議」の歴史は何を物語るのでしょうか。
このシンポジウムでは、米国の対日要求と日本社会の変化について、私たちの生活にどんな影響を与えていたのか、これからどうなるのかを明らかにしていきたいと思います

 

5/24開催報告はこちらから。

<報告1>食料輸入と食の安全をめぐって 

<報告2>医療制度、医薬品をめぐって

 

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<報告3>郵政民営化と保険商品の窓口販売』
◇日時:7月12日(日)13:30~16:00(13:00~開場)

◇主催:ほんまにえええの?TPP大阪ネットワーク

 

当日資料はこちらから。

 

【報告1】郵政民営化と保険商品の窓口販売  

松岡幹雄さん (郵政産業労働者ユニオン顧問)

 

Ⅰ、規制改革、郵政、保険・共済、金融分野の流れ

 まずは米国の日本に対する規制改革の要求、その変遷について。過去の歴史的な経緯を見ることで、TPPの狙いがわかる。

 

対日貿易の赤字に苦しむ米国側が提起し、1970年代に日米交渉はスタートした。繊維に始まり対象分野は、鉄鋼、カラーテレビ、牛肉・オレンジ、自動車、半導体と拡大の一途をたどる。1980年代にはいると、エレクトロニクス、電気通信、医療品、医療機器、林産物、輸送用機器とさらに拡大する。

 

しかし、1989年にはじまった日米構造協議は、全く次元が異なるもの。協議と訳されているが、原語は「イニシアティブ」であり協議ではない。日本への構造改革要望である。

 

この中で、貯蓄・投資、流通機構、価格メカニズム、系列、排他的取引慣行といった個別の産業分野だけでなく、「日本の社会・経済構造そのもの」が遡上にあげられた。

 

米国は、通商交渉にもかかわらず対日貿易が改善されないことに業を煮やし、日本に構造改革をせまってきた。1994年からは、日米経済包括協議のもとで「年次改革要望書」が出される。これも原語は「勧告書」であり、要望書ではない。

 

年次改革要望書でも競争政策、商法・司法制度、民営化など構造改革を迫る内容が網羅されている。しかし、民主党鳩山政権の時にいったん日米経済協議が中止になった。

 

その後、米国はあらたに日米経済調和会議という形で、対日要求の実現をめざしてきた。「外国貿易障壁書」は、米国代表通商部(USTR)が米国通商法に従い、大統領と上院財政委員会、また下院の委員会に対して、外国の貿易障壁に関する報告書を提出する義務を負っているもの。

 

簡単にいえば、「米国の貿易の邪魔をしている世界各国の国内法や制度、慣行」集。400ページにも及ぶ膨大な報告書には世界61か国の「貿易障壁」が挙げられているが「日本」と「中国」の貿易障壁については圧倒的に分量が多い。

 

「外国貿易障壁報告書」をみるとTPP事前協議や日米2国間協議で米国が何を要求しているか、つまりTPP合意によって米国が日本をどのような青写真によって作り替えようとしているかがわかる。

 

今回のTPP参加は日本の経済的従属の異常な「制度化」の流れの総仕上げであり、日本の経済的主権を根こそぎ奪うもの。そして、その根底には、日米安保での経済的な従属の強制という問題があり、現在の安保法制は、一方で日本のアメリカへの経済的従属を深めるものだ。

(編注:日米安全保障条約の前文、第2条に「両国の間の経済的協力を促進」と記載)

 

日本郵便

民主党政権時、2011年報告書では、日本郵政を民営化すべきかどうかについては中立としていた。2005年の年次改革要望書では、「米国は、郵政公社の民営化という改革イニシアティブを特に歓迎する」と表明しており、一体どうしてという疑問が湧いてくる。

 

これは、もともと米国にとっての日本郵政の関心事は金融2社、とりわけかんぽ生命にあり、日本郵政という持株会社日本郵便にはさして関心がないためだ。「民営化されても、金融2社が完全民営化でなければ対等な競争条件でない」というのが米国の主張の中心だ。

 

【急送便】

急送便とは、EMSなどの国際急送便を指す。「EMSが税関等の取扱いにおいて優遇されている」と米国は主張しているが、米国を含め世界的に、国際郵便と国際急送便サービスで異なった通関手続となっているのが通例である。

「内部相互補助を抑止する措置が必要」と主張しているが、毎年度、郵便事業の収支の状況について内国郵便及び国際郵便に分けて公表。その中でも、国際郵便は黒字であり、内部相互補助が行われているとの指摘は当たらない。

 

 

【かんぽ生命】

かんぽ生命と他の保険会社は、保険業法の同じ規制を受けており、制度上の不公平はない。加えて、かんぽ生命は、他の保険会社にはない郵政民営化法の業務制限規制(限度額、業務範囲等)を受けている。

 

かんぽ生命について、「郵便局ネットワークへの優遇的アクセス」との指摘があるが、日本郵便株式会社が郵便局において他の保険会社の商品を受託販売することについて制度的な支障はない。日本郵便株式会社が、かんぽ生命以外の保険サービスについて、どのように取り扱うかは、日本郵便株式会社と商品供給会社の経営判断に委ねられており、競争条件の公平性の問題は生じない。

 

 

つまり、米国は妥当性のないことを毎年毎年要求してきている訳だが、それは、先も述べたように、日本郵政というよりゆう貯銀行、かんぽ生命の2社を完全民営化しなければ、限度額の引き上げもダメ、新規業務拡大もダメというスタンスであるためだ。

 

 

【共済】

保険業法改正で、本来少額短期保険の要件を満たす必要があったが、「認可特定保険業者としてこれまでどおり業務を行うことが出来る」としたことを不服としている。

 

2015年版では何を要求しているか。郵政・急送便に関しては全く一緒。新たに上場手続きへの透明性、つまり米国が納得するようなやり方で株式公開をやりなさいと言っている。

 

また、報告書では、麻生大臣の発言「かんぽ生命が完全民営化されるまでは認可しない」という旨の発言を歓迎し、2013年7月のアフラック社との業務提携を評価している。すでに、2014年末で1万店舗を超えており、将来は全郵便局での販売予定。共済も同じ内容。

 

 

【投資障壁】

報告書で新たな記述があった。

安倍政権成立前まで対内外国直接投資に積極的でなく、2013年は増えたものの、経済規模に対し取引数が小さいと懸念。安倍総理が2020年までに倍増するという目標発表したことを評価するが、目標達成するか施策の妥当性に疑問が残る、外資に対する態度が悪く、株主利益より保身的な経営陣を保護する企業統治、株式持ち合いはダメ、などの記載がされている。日本再興戦略で企業統治の強化の最重視が前向きな動きとされ、これで海外投資家が安心して日本に投資できるといった評価がされている。

 

 

Ⅱ 国内に於ける規制改革の動向

 

1982年のアルコール専売→新エネルギー機構、電電公社→NTT、日本たばこ、JR、と国内で「公企業の民営化」が進んできた。オリックスの宮内氏は10年間にわたり、規制緩和の音頭をとってきた。郵政民営化小泉政権の看板、「改革を止めるな」と郵政民営化しかないと自民党一面広告、当時は外交がよくなるなど、関係ないことまで関連づけ宣伝された。

 

郵政事業は、2007年10月の郵政民営化により、持ち株会社である日本郵政のもと、4事業を担う株式会社へと分割された。小泉郵政民営化では、日本郵政の株式3分の2を順次売却し、金融2社については2017年の9月末までに全株式を処分する予定だったが、2009年9月9日鳩山内閣が誕生した。

 

鳩山内閣のもと、郵政事業の抜本的見直しが政権合意され、10月には「郵便局ネットワークを地域や生活弱者の権利を保障し、格差を是正するための拠点として位置づける」ことを明記した「郵政改革の基本方針」が閣議で決定された。

12月には「郵政株式売却凍結法案」が可決成立、郵政民営化にいったんはストップがかかった。

 

2010年4月になり、「郵政改革関連法」案が衆議院に提出されたが、自民党などの抵抗にあい、たなざらしの状態が続いた。

 

しかし、2011年3月、東日本大震災の勃発で急展開をみせる。与党内にこれを好機として郵政株を復興財源にする案が急浮上する。まさに、ショックドクトリン。

 

その後、2012年3月に民主、公明、自民が現在の「郵政民営化法改正法」について3党合意し、4月27日現在の「郵政民営化改正法」が可決成立となった。

 

最終的には、郵政の株式売買資金を311の復興予算確保するため、「改正郵政民営化法」が施行されたが、この改正法を米国は気に入らない。

この法律は妥協の産物だが、「郵便と金融のセットのユニバーサルサービスを、全国あまねく公共サービスとして、いつでも公平に国民に提供せねばならない」と明確にしており、問題はあるが一歩前進しているためである。

 

 

【改正郵政民営化法とは?】

郵政民営化の定義・目的を変更

郵便事業会社と郵便局会社を統合する

③郵便だけでなく、金融についてもユニバーサルサービスとする

など、従来の小泉郵政民営化路線と比べれば確かに前進面があった。しかし、どうしても制度上、おかしな点が残っている。

 

たとえば、

①金融ユニバーサルサービスを義務化すると言いつつも、ゆうちょ銀行、かんぽ生命には義務化していない

②「郵政事業に係わる基本的な役務の確保等を勘案しつつ」と但し書きを加えつつも、できる限り早期に処分する

としてしまっている点などだ。

 

 

Ⅲ 安倍成長戦略の中で進められる郵政、保険共済、金融分野の流れ

 

成長戦略2015が出されている。さまざまこの間の成長戦略の上書きしたものだが、ただ一段と現実味を帯びている。安倍政権成長戦略2015年は、2014年とほぼ同じ。雇用制度改革では、多様な働き方の実現として派遣法改正が現実味を帯びてきた。国家戦略特区の実現、公的・準公的資金の運用等、これは年金基金の株式流用として具体化している。年金基金を50%まで株に流用するなど誰も考え付かなかったが、成長戦略として出ていることに要注意。

 

日本郵政は、すべてアベノミクスを支援する経営方向となっており、安倍政権のために忠実に動いている。原発プラント輸出と郵便インフラをアジアへ国際展開戦略として行っている。

 

また、膨大な設備投資を具体化する、「新中期経営計画2015~2017」を策定した。「中計」とは、投資家対策、日本郵政グループの成長戦略であり、最大の特徴は、投資戦略であり、不動産事業なども加速させる内容だ。JPタワーなど11、大阪は、ブランズ豊中南桜塚、大阪中央郵便局跡地イベント広場、仮設局舎等々。

 

2兆円の設備投資の一部を、外国企業のM&A資金に充てる。

一例として、豪トール社を6200億円で買収し、アジア、欧米地域でさらなるM&Aを実施するとしている。グローバル市場は、すでに大手4社が席巻しているのに無謀な挑戦だ。    

 

 

ゆう貯・かんぽ資金運用を、国債からリスク性資産運用拡大へと変える。これまで最大の国債購入先だったが、国債運用は、80%から50%に。国債運用は2015年3月決算で前年対比ゆうちょ銀行ではマイナス20兆円、かんぽ生命ではマイナス4兆円と急減している。そして、2017年SP国際分散投資総額60兆円とし、海外で発行・保管されている有価証券に投資する計画。

 

日本郵政と金融2社の株式上場計画は、6月末に本申請で10月株式上場予定。3社同時上場を西室社長が強引に進める流れになっている。通常20%程度の株主配当性向を50%、つまり純利益の半分を株主配当に回すとしている。そこまでしないとこの会社の株を誰も買わないという弱さを示す数字だ。株式上場も無茶だが、高値で売りたいがために無茶をしており国民の利益にならない。

 

 

Ⅳ 成長戦略に対して国民生活擁護の運動づくり

 

国民のための郵政事業を守る運動づくりが必要。郵政事業は、国民の共有財産であり生活インフラだ。逓信省から始まり歴史も長い。現在は、改正郵政民営化法が全て縛っている。郵便局で一体的に利用できること、全国ネットワークを維持すること、公益性及び地域性が十分発揮されることが明記されている。郵便・貯金・かんぽは、いつでも、公平に、生活基礎サービスとして情報・モノ・カネの交流を支える基礎的なサービス、インフラとして必要だ。

 

 

【TPPと郵政事業

まず、アフラックの問題。2013年7月26日、日本郵政アフラックの業務提携により、全国2万の郵便局でアフラックがん保険を販売することになった。これほど、TPPの恐ろしさを示す例はない。

 

日本郵政は、新規業務にストップがかけられただけでなく、郵便局ネットワークをアフラックがん保険の販売網に変えられ、がん保険市場を独占的にアフラックに明け渡す役割を担わされる。

 

これは、アメリカが要求している「競争条件の平等」などでなく、「市場の強奪」というべきもの。民業圧迫はだめ、という一方で、あきらかにダブルスタンダードだ。

 

この問題は、それだけにとどまらない。国民皆保険制度の空洞化とセットで進む、米国型の医療制度、民間医療保険で医療をまかなう方向性を想定した、医療保険への進出が次にねらわれている。

 

しかし、別にアフラックでも良いじゃないかという声も聞こえてきそうだが、アフラックという会社がどういう会社かを知る必要がある。

 

アフラックは、「膨大なノルマ」、「販売偏重の経営方針」、「運用の不透明性」で、金融庁から再三指導が入っている問題企業。また、アフラックは、現地法人化せず、日本支店であるために売り上げのすべてを本社アメリカが吸い上げている。問題はここにある。

 

つまり、一旦吸い上げた資金が、どのように運用され、どういう利益構造かが問題。

本来なら国内で運用されるべき資金が、アメリカに流れている。つまり国民の零細な預貯金からの掛け金が、アメリカにすべて吸い上げられてしまっているのだ。

 

第2に、日米二国間協議では、貿易障壁報告の内容を遡上にあげ、かんぽ生命の新商品展開にストップを迫り、麻生大臣から政府方針として、当面、新規商品展開を行わない談話を発表させてきた。その結果、日本郵政に、金融2社株の上場を正当化する口実を与えている。

 

第3に、金融2社の新規業務にストップをかけられ、郵便局への委託手数料の減少により、ユニバーサルサービス維持に支障が生じている。

 

 

【株式上場の問題点】

 

東証の上場基準からみて収益性に問題がある。上場後、利益が出ない可能性もある。親子上場、利益の2重取り、利益相反で、少数株主を守れない。

 

また、社員の約半数が非正規社員であり、非正規差別や30年を超す労働争議等の劣悪な職場労働実態の問題など、企業としての健全性が問われている。さらに、外資規制はなく、日本の民間保険会社の3分の一が外資に乗っ取られた実態を見た時、余りにも無防備に過ぎる。

 

さきほど、「金融2社にユニバーサルサービスが義務化されていない」と言ったが、これは、TPPとも関連する重大な問題。地方の多くの郵便局は、不採算局。金融2社は、毎年、委託手数料を郵便局に収め、消費税を国に支払っている。郵便局は、金融2社からの委託手数料があって、始めて運営ができる。

 

新たな株主は、不採算郵便局からの撤退を要求する可能性は十分すぎるほどある。もし、そうなるとドイツやニュージーランドがそうであったよう、地方の郵便局の閉鎖という事態が生じてしまう。郵便局ネットワークが維持できなくなり、通信のユニバーサルサービスも維持できなくなってしまう。

 

先日私たちユニオンから「郵政株式上場に関する提言」を発表した。本日資料としてお配りしている。是非皆さまのご意見をお願いしたい。

 

「郵政株式上場に関する提言」はこちらから→

http://www.piwu.org/kabusikijyoujyounoteigen.pdf

 

<文責:ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク事務局>

5/24開催報告 「過去からよみとく未来予想図~外国貿易障壁報告書などを受けて~」①<報告2>医療制度、医薬品をめぐって

5月24日(日)ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク主催で実施した

TPPとくらしを考えるシンポジウム①「過去からよみとく未来予想図~外国貿易障壁報告書などを受けて~」から、医療制度、医薬品についての報告2です。

 

※7/12開催のパート2案内はこちらから 

当日配布資料はこちら当日の配信動画はこちらから。

<報告1>食料輸入と食の安全をめぐって はこちらから

 

「過去からよみとく未来予想図~外国貿易障壁報告書などを受けて~」①

<報告2>医療制度、医薬品をめぐって

安田雅章さん(大阪保険医協会副理事長)

 

1、TPPの医療への影響

TPPの医療への影響としては、国民皆保険制度の空洞化と営利企業の参入があげられます。

 

医師は、医師法に基づいて仕事をしておりまして、非営利であります。医療行為は公益性を持っており、その上で国民皆保険制度が成り立っているのであります。この点が大事なことです。

そうであれば、保険給付範囲の縮小(保険外し)、混合診療の全面解禁、医療特区という事態が進めば、皆保険を守ったとはとても言えないと考えます。

 

株式会社による医療経営とは、どういうものでしょうか。

医療法人と株式会社との大きな違いとしては、次のことが考えられます。

医療法人の場合には剰余金が出れば、最適な治療をした結果として得られた剰余であり、これは医療のための再投資に向けられます。

株式会社の場合には「利益の最大化」をめざして、「費用の最小化」を追求し、その結果としての利益は株式所有者に配当することとなります。

 

2、新薬の高額設定を求めるアメリカ

米国の薬が日本に大量に入ることになれば、薬価は1.5倍となり、医療費の高騰が予想されます。現在は、日本では2年に一度、薬価・診療報酬の改定があり、適正な価格体系を検討しており、安い料金で医療を提供できています。しかしながら、米国の要求に沿って、薬価・診療報酬制度を変更すれば、医療費は上がり、医療格差が生み出され、国民の医療の空洞が進行します。

 

先日、日本の保険診療として認められた、C型肝炎の新薬「ソバルディ」は、一日一錠服用で7万円であり、28日間飲み続けねばならず、薬代は約200万円を必要とします。日本には、この症状の患者さんは、約200万人いますので、200万円×200万人分の巨額な医療費がかかります。しかし、米国並みの価格水準で購入すると仮定すれば、日本で個人輸入すれば約10万円しますが、健康保険のお蔭で7万円に抑えられている訳であります。

 

高額な薬価設定を維持し、特許を長く使えるようにするために、一つの薬で2000位の特許申請をします。このように多くの特許を介入させますと、後発薬の開発が抑えられます。後発薬が、どこかの特許に抵触するように手立てを考えて、高価格な薬価を維持しています。

 

3、日米構造協議で医療にどのような影響があったか。

1993年には、日本政府は米国から、「医療技術・サービスへの外国企業の参入、自由競争の拡大」を求められています。

 

1994~2008年までの15年間に、米国の要求に基づいて、栄養補助食品厚生労働省審査除外、ビタミン剤の保険外し、グルコサミンコンドロイチンなどの各種サプリメントを保険から外され、栄養補助食品の販売は自由化されています。

 

2001年には、米国から医療機器承認の迅速化を言われています。承認に時間がかかることは事実ですが、早くした場合には、安全性の問題が懸念されるところであり、慎重にすべきだと思っています。

その他、レセプトオンライン請求の完全義務化については、2015年4月から予定されていましたが、一部変更して実施されます。マイナンバー制度も同様ですが、個人情報流出の危険性があります。

 

2002年には、米国からコスト削減・効率化の要求が出ています。一般医薬品のインターネット販売、うがい薬の保険外しなどが要求項目です。

 

2010年には、米国から「新薬創出等促進加算」の導入を要求されています。新薬の特許期間が切れて、後発医薬品が発売されるまでの間、発売時の薬価を維持するための制度を診療報酬改定で試験的に導入するものです。特許が切れると、薬の名前を変えて薬価を維持します。どんどん名前が変わるため、医者も薬名を覚えきれないほどであります。

 

このように、米国の要求項目は、ほぼ数年中に要求どおりに実施されて来たことが分かります。

 

4、TiSA(新サービス貿易協定)

TPP以外にも、TiSA(新サービス貿易協定)交渉が進んでいます。モノ以外のあらゆるサービスの規制緩和であり、社会保障規制緩和を狙っています。民間保険会社のマーケット拡大、営利企業のために医療市場の開放、ビッグデータの活用で、新たなビジネスチャンスが生まれます。

 

こうした米国の要求は、日本政府の成長戦略に記載されている、医療費抑制策である、「入院から在宅へ」と奇妙に合致しています。入院から在宅に変えるためには、生活環境や介護者の考え方などさまざまな条件整備が必要であるにもかかわらず、半強制的に、2025年までに実施しようとしており、大きな問題を内包しています。

 

医療を成長戦略とすることには、なぜ無理があるのでしょうか。

医療はピラミッド型の構造で成り立っており、地道な地域医療から、緊急性を要する医療や高度な医療は上の病院に、とさまざまな役割分担があって、日本の医療制度が成り立っています。医師一人で医療ができるわけではなく、こうした医療制度の上で、国民の健康は維持されます。単独の病院だけで医療が成り立っているわけではありません。

 

5、成長戦略と医療・介護の市場化

規制改革会議で「患者申出療養(仮称)」が提言され、先日、医療保険制度改革法案の中で可決・成立しました。「患者の申し出」を起点としていますが、国内未承認薬などの迅速な保険外併用で使用するための仕組みであります。患者の責任において、医療を実施するものであり、混合診療の自由化であります。「保険収載のめどがたたず患者負担が増大」します。そして、患者の自己責任・自己負担で行う治療でありますので、大きな問題を残しています。

 

本当は入院のほうが、コストは安くつくと思うのでありますが、政府は在宅を主張しています。在宅の場合は、地域包括ケアシステム、ボランティアによる支えあい、ヘルスケアリート(高齢者施設を対象とした不動産投資)。高齢者向けビジネス、ヘルスケア事業の地盤となりますが、経営者が変わることで方針が変わればどうなるのか、心配です。

 

同じく、産業競争力会議では、「医療特区」で医療ビジネスの推進を言っています。医療特区が進めば、皆保険制度は骨抜きとなり、日本全国で医療特区だらけとなります。

 

6、地域での実践、地域から情報発信を

大阪府地域医療介護保険確保計画では、「病院のうち民間病院は483ヵ所と91%を占め、救急搬送の77%が民間病院で担われるなど地域医療・政策医療の推進に大きな役割を果たしていることも特筆である」と記載されています。

 

規制緩和によって、消費者にとっては選択肢が広がり、豊かな社会が実現できると盛んに宣伝されましたが、現実はどうでしょうか?

 結果として、お金のある人は十分なサービス提供を受けたかもしれませんが、そうでない人にとってはサービス格差が広がったというのが、この10年間の実感です。

 そして、社会や政府の責任で担われていたものが、個人の責任となっており、あなたが決めたことでしょうという考え方が大きな流れとなっています。

 これが、この間の日米2国間協議を踏まえて考えた際に、浮かび上がってきた現実であります。

 

 

  TPPが日本の医療制度を壊すといっても、医者の中でもそうは思っていない人もいます。医療は成長戦略の構成要素だと思っている医者もいます。

 

でも、医療制度はどのようにして成り立っているのかを考えた場合、地域・底辺の医療の現状を理解していない人も多く、医療の現場を理解していただきたい。国民の生存権を守り、非営利、公共性を理解して、医療活動に従事する医師が多くなれば、患者さんにも医療現場の現実を理解していただく活動が活発になると思います。

 (文責:ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク事務局)

5/24開催報告 「過去からよみとく未来予想図~外国貿易障壁報告書などを受けて~」①<報告1>食料輸入と食の安全をめぐって

5月24日(日)開催 ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク主催

TPPとくらしを考えるシンポジウム①

「過去からよみとく未来予想図~外国貿易障壁報告書などを受けて~」報告

 

※7/12開催のパート2案内はこちらから 

当日配布資料はこちら当日の配信動画はこちらから。

 

<報告1>食料輸入と食の安全をめぐって 

飯田秀男さん (全大阪消費者団体連絡会事務局長)

 

1.食料輸入に対するある警告

まず、有名なジョージブッシュの演説の紹介から始まりました。

「食料自給できない国を想像できるか。それは国際的圧力と危険にさらされている国だ。」

これはどこを指しているのか?日本ではないか。

米国からの警告として他にも「エサ(飼料)穀物を全て米国から供給すれば、日本を完全にコントロールできる。」というものもある。

 

2、食料・飼料輸入量と自給率と交渉の推移

 今から50年前は日本の食料自給率はカロリーベースで70%超えていたが、近年40%をうろうろしている。近年は3000万トン以上の食品を輸入し続けている状態。飼料自給率は30%以下と低迷。

輸入が増えてきたこの間に、どういった交渉を経ているのか。

 

 1955年にGATTに参加。1970年代以降、米国から輸入への圧力が、日本にかかり始め、78年の牛肉オレンジが第1のピーク。

1994年末にウルグアイラウンドが決着し、1995年のWTO加入する際に、小麦・大麦・乳製品等の輸入数量の制限が撤廃された。

1999年にはコメの関税化が行われた。高い関税ではあるものの、自由化への道が始まった。

2003年米国でBSEが発生。一旦、輸入禁止になったものの、輸入規制緩和の圧力がかかり、徐々に輸入月齢制限が引き上がっている。

 

3、日米政府間の協議がどのように進んできたのか。

2011年までのものは、外務省HPで公表されている。しかし安倍政権後、交渉内容が公表されていない。 

 

具体的にどういった方法で規制緩和への圧力がかかっているのかをみると、主に、この3つだろう。 

①日米両国の政権同士による合意に基づく協議

②USTRによる外国貿易障壁報告書。毎年度、日本語訳が外務省HPで公開される

③在日米国商工会議所意見書に基づく個々の具体的な要求書

  

③は、戦後すぐにできた組織。

現在は40数か国の企業が加入し、60を超える委員会があり、意見書をつくり日本政府に対して政策提言している。

これまでの政権で出されている規制緩和政策を誘導するような提言がでている。(以下主な意見書をリストアップしたもの)

 

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 4、規制緩和要望書にみる歴史

①政権による合意の基づく協議

日米交渉のやりとりがまとまった文書が初めて出るのは1996年。「規制緩和の提案」「行政に関する法律、規制及び慣行の改革」「競争政策」の3つのジャンルで非常の多くの分野が列挙されている。

 

2011年版では日米経済調和対話での米国側関心事項は、大分類でも12項目。知的財産権、郵政、保険、透明性、運輸・流通、エネルギー、医療品・医療機器など。

 

②外国貿易障壁報告書

2014年はやり取りが公表されていない。大項目は7分野。 

2015年版がこの4月公表された。大項目は8分野。今回、「衛生植物検疫」が新たに出てきたのが特徴。

 

ずっと要求され続け、日本政府がそれを実現すると翌年には要求事項が削除されている。実現しないと毎年同じ文言が並んでいる状況。

 

③在日米国商工会議所の意見書の要望はといえば、それぞれいつまで有効かと書いているのが特徴的。ここには、IRリゾート、医薬品等の診療報酬改定や、農協改革についても書かれている。

 

 

5、食の安全を脅かす米国の要求

BSEは「管理されたリスク」として、現在、月齢40か月までの緩和要求されている。

 

レモンはスーパーで「TBZを使っています」と表示されているのは、厚生労働省が今は食品添加物と見なしているから。これを表示しなくてよいように「農薬扱いにしろ」と言っている。

有機農産物を輸出しやすくするために、有機農産物の定義を米国の定義にあわせろと要求している。

「殺虫剤・農薬の残留許容限界をゼロにすることは不可能。だから米国並みに殺虫剤を投与しても、米国基準で有機農産物と認定されるのであれば日本でも有機農産物として扱え」と要求している。

 

今、話題なのはアフラトキシンに汚染されたとうもろこし。これを食べた乳牛から牛乳へと、汚染が移っている。

農林水産省の輸入飼料検査では、「検出されているが、基準値以下のので問題ない」という報告が毎年出されている。一方、厚生労働省管轄の輸入食品としての「とうもろこし」の検査では、毎年、米国産「とうもろこし」にアフラトキシン汚染で違反が見つかっている。汚染が見つかり、毎年、6万トン以上の米国産「とうもろこし」が廃棄処分となっている。厚労省の輸入食品の検査基準は、「アフラトキシンは検出されてはいけない」というのが基準。アフラトキシンは自然界に存在する最強の発がん物質でもある。

 

毎年、検査で米国産の人間がそのまま「食べるとうもろこし」はひっかかっている。食べるほうは、ほぼ全数検査をしており、全体の2%が汚染検出。

  

しかし、エサ(飼料)用とうもろこしでは農水省管轄検査で60件くらいしか検査していない。その限られた件数で、「基準超えの汚染無し」とされている。全数検査している食べるとうもろこしの汚染状況から考えても、エサ用はそれ以上に汚染されていることは確実。

ずっとエサ用とうもろこしの輸入を迫られてきた背景があり、検査体制もゆるくなっている。

 

 

6、国民の健康増進を目指すという政府の成長戦略「機能性表示食品制度」とは?

食品の機能性表示制度が、2015年4月、消費者庁管轄でスタートした。トクホは8000億円市場、機能性表示は2兆8000億市場と言われる。

「機能性表示を進めて成長戦略を」と記者会見でも発表し、安倍政権の政策のように言っているが、「1994年にできた米国のダイエタリーサプリメント法と同じように」と、1996年から「栄養補助食品」の項目で要求されているもの。安倍政権の独自政策ではない。

 

・機能性表示は何が問題か。

機能性表示食品は5月24日現在、21件届け出されており、ほとんどがサプリメント。機能についての説明は例えばひとつ目、「ラクトフェリンが含まれるので…内臓脂肪を減らすのを助ける」などと書かれている。このように消費者庁への届け出リストを見ると「Aが含まれる。Aはこんな機能があると報告されている」のセットがほとんど。これは最終製品での臨床試験がされていないということ。

 

「何の効用があるか」の表現は、トクホの宣伝と非常に似ている。6月以降商品がでてくるが、買い物する際、トクホと機能性表示なのか、消費者には分かりづらい。トクホは現在1147品目ある。おなかの調子を整えます、中性脂肪、血圧など病気の原因になる要素を取り除く…などが多いが、根拠は実験データが得られたことが前提。

 

機能性表示はそうではない。「○という成分が含まれます。○にはこんな効果があると報告されている」と効果がある成分が入っているというだけ。効果があるとは言っていないが、消費者に対して「効果がある」と勝手に思わせるもの。自主申告=企業責任で、機能性表示ができてしまうが、企業が責任追うものではなく、効果があると思って使ったのはあなたでしょ、という論理になる。

 

だが、機能性表示よりもトクホが優れているということになるのか?

例えば血圧。どのくらいの数値がよいのかも微妙。高すぎる場合は、下げるのに薬を使うが、その効果も微妙なものが多い。有意差あるといっても、2~3%程度。5~10年たってようやくわかるかどうか。薬であっても、専門家の判断ですら評価が分かれるものを、トクホや機能性表示で効果が出るなどは考えにくい。

 

米国でも、「科学的根拠がない」「有効性の実証に当たり、考慮すべきとされた点が考慮されていない」などの問題がすでに指摘されている。

  

これまで米国の規制緩和要求は、長期にあたって歴史的、構造的であり、日本経済・国民生活に強い影響を及ぼしてきた。 

 

「国内経済対策」として打ち出された規制緩和政策も、米国の要求事項と重複しており、決して日本政府が主導したものではないことがよく分かる。

 

(文責:ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク事務局)

 

【7/12(日)開催】TPPとくらしを考えるシンポジウム『過去からよみとく未来予想図② ~外国貿易障壁報告書などを受けて~』

【7/12(日)開催】TPPとくらしを考えるシンポジウム②
『過去からよみとく未来予想図
 ~外国貿易障壁報告書などを受けて~』
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食の安全が脅かされ、お金持ちしか医療を受けられない?かんぽや郵貯が狙われている? 
TPPと並行して進んでいる日米協議では、日本の大幅譲歩の報道も。

1980年代に始まった「日米構造協議」の歴史は何を物語るのでしょうか。
これまでの大店法改正や郵政民営化もその軌跡。
そしてまた「外国貿易障壁報告書」が更新されました。
...
このシンポジウムでは、米国の対日要求と日本社会の変化について、私たちの生活にどんな影響を与えていたのか、これからどうなるのかを明らかにしていきたいと思います

◇日時:7月12日(日)13:30~16:00(13:00~開場)

◇各分野からの報告
郵政民営化と保険商品の窓口販売
 松岡幹雄さん (郵政産業労働者ユニオン副委員長)

知的財産権と司法
 和田聖仁 弁護士(東京弁護士会

◇主催:ほんまにえええの?TPP大阪ネットワーク
◇参加費:500円
◇会場:国労会館3階大会議室
(JR天満駅下車、北側線路沿いに京橋方向へ徒歩3分)


※第1回目5月24日(日)シンポジウムでは「食」「医療」を開催しました。

第1回目配布資料はこちらから
https://drive.google.com/file/d/0Bz4cgaa9CBKLOWxRVV9pNGF2ZUE/view
 

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