「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」

私たちは、日本政府にTPP交渉における「国民への説明責任を果たす」こと、衆参農林水産委員会における「国会決議を遵守する」ことを求め集まった、大阪で活動する約30団体のゆるやかなネットワークです。FBページはこちらから→https://www.facebook.com/tpposakanet/

2014年7月提出の要請書

2014年7月31日付で、内閣総理大臣、各政党、衆参の農林水産委員会の委員宛に私たち「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」として以下要請書を送りました。

 

要 請 書 

 

安倍内閣は、国内各界の懸念や疑問に答えることなく、昨年3月、TPP(環太平洋連携協定)交渉への参加を正式に表明しました。以来、閣僚会合や首席交渉官会合、日米2国間協議が進められてきましたが、交渉は合意に至っていません。

2014年3月8日、大阪で活動する市民団体、消費者団体、生産者団体、労働組合、法曹専門家団体等が集まり、「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」を結成しました。そこに至るまでにも、私たちは学習集会やシンポジウムを重ね、TPP交渉は、物品の関税撤廃だけでなく、食の安全、保険・共済、医療、公共事業、雇用、知的財産権など幅広い分野にわたる取引・契約ルールが対象になっており、それへの参加は、国民生活に重大な影響を及ぼすことを学んできました。

政府は、TPP交渉と並行して日米2国間協議をすすめています。そこでは、米国が、これまで米国通商代表外国貿易障壁報告書等で求めていた食の安全基準や医療、公共事業、保険、自動車、通信分野などの市場開放、規制緩和を政府に迫ってきています。既に、政府はBSEの輸入月齢緩和やがん保険の市場開放などを行い、米国の要求を受け入れました。

学習すればするほど、私たちには、TPP交渉に参加することや協定に加入することに疑問や懸念が広がります。生産者団体や市民団体、学識者など多くの団体がTPP協定の危うさを指摘し、交渉から撤退すべきとの声をあげています。政府には、こうした国民各層の疑問・懸念に答える責任がありますが、その責任を果たしているとは思えません。

7月13日、私たちは、「ほんまにええの?TPP」シンポジウムPARTⅡを開催し、雇用・労働法制、医療、子育て・保育、中小事業者と規制緩和をテーマに議論を行いました。私たちは、当日の学習と議論で、安倍内閣が進めている国内の規制緩和政策がTPP協定と符合するとの思いを強くしました。

そこで、シンポジウム参加者の総意として、政府に次の事項を求めることとしました。

1. TPP交渉における国民への説明責任を果たすこと

2.衆参農林水産委員会における国会決議を遵守すること

3.くらしを破壊する規制緩和をやめること

政府においては、この趣旨を受け止め、真摯に対応することを求めます。

 

2014年7月31日

「ほんまにええの?TPP」シンポジウムPARTⅡ参加者一同

11/29TPPシンポジウムより「食卓から考える私たちのくらし」浅岡元子さん(日本の伝統食を考える会事務局長)

「食卓から考える私たちのくらし」
  浅岡元子さん(日本の伝統食を考える会事務局長)

(当日の速記をもとにしています)

 

 日本の伝統食を考える会の活動を紹介します。
 私は、兼業農家に生まれ育ち、小さい時から食に関心がありました。


 日本の伝統食を考える会の活動を知り、おもしろそうだと興味を持っていて、活動を初めて13年が経ちます。この会は1981年に誕生しました。初代の会長は、栄養士の宮本智恵子先生でした。宮本先生は、近くの商店街界隈の高齢者の足腰がとても丈夫なので、何を食べているのかと聞くと、「しょうもないもん食べてるねん」との回答が帰ってきました。詳しく聞くと、米食中心の伝統的な食だったのです。

 

 1992年に「伝統食列車」がスタートし、2両編成のお座敷列車、約70名が試食・学習しながら、各地をまわりした。「伝統食かるた」を作り、かるたの裏に伝統食についての解説を書きました。


 伝統食列車はなぜ走ったのか。それは、外食の増加など、原因はさまざまありますが、親からおふくろの味が子どもに伝えられていないことに大きな理由があります。伝統食離れを決定的にしたのは、一貫した食料の海外依存政策の進行でした。


 伝統食列車で分かったことは、次のとおりです。


 地元でとれたものを、伝統的な食べ方で食べる、そのようなことは日本全国にあり、「本当においしいもの」が食べられる、それがよく分かりました。しかし、地元のものを作る農林水産業が廃れると、伝統食は作れなくなり、地域が寂れ、作る人も食べる人もいなくなります。


 私たちが伝統食列車で訪問することによって、地域が掘り返される、変わっていきます。地域には伝統食などないと、普段食べているものの価値は地元の人たちには分かりづらいですが、他の地域から来た人にとっては、おいしく食べるということで、再評価につながります。


 地域の高齢化が進んでいて、大変です。

今年訪問した軽米町と言えば、雑穀が有名です。外国産の雑穀は、1/5の価格であります。生麩、普通は小麦粉で作るのですが、ふすまで作ります。

なます。ほうりょう大根、地元自生のきのこ、菊の花など、たくさんの地元食材があります。キノコを見分けられる人がいて、それを地元で保存・調理することができて、初めて食べられる料理もあります。軽米町の空き家数は179戸を数えます。三陸鉄道が再開して、山と海のものを普通に食べてきたので、震災も乗り越えられた、という話を聞いた。スーパーで買っている都市の私たちとは違っていることを、強く感じました。

 

 私たちは日本の伝統食を大事にし、国産を大事にして、生産者を大事にする活動をしています。余ったものを上手に保存する技術も大事です。魚を丸ごと使い切る技術、村おこしなど多くのことを学びます。

 

 最後に日本の農政に望むことについて述べます。
 食卓から考える私たちの暮らしにおいては、農政を変えないといけないですが、消費者も変わらないといけない考えています。農政に一番言いたいのは、日本のコメを守らなかったということです。パン食で始まった学校給食は、米の生産量が増えた段階で、米飯給食に戻すべきだったと思います。主食がパンになることで、食が洋食化されてきました。米中心の食事があってこそ、日本の食は守られることを肝に銘じるべきです。

 

 TPPで食料を外国に依存することについて、日本の地元でとれたものを大事にしていく立場から考えますと、農業生産環境を大事にしないといけないという思いが、自然と出てきます。安心して農業に取り組められる農政に変えていくことが重要であり、消費者は国産を大事に守り、食卓から食のあり方を変えていく、取り戻すという気持ちを大事にしたいと考えています。

 

<文責:ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク事務局>

11/29TPPシンポジウムより「がんばってます!大阪・都市農業」池嶋明さん(JA大阪中央会 食と農・環境対策部次長)

「今の食、当たり前?子どもに残したい未来」
「がんばってます!大阪・都市農業」

池嶋明さん(JA大阪中央会 食と農・環境対策部次長)からの報告です。
(当日の速記をもとにしています)

 

大阪農業で知ってほしいこと。実は大阪の春菊の生産量は全国堂々の第2位。1位は千葉だが、大阪の春菊はサラダでも食べられるのが特長。

 

ふき(「のびすぎでんねん」という名前)といちじくは第3位。
軟弱野菜の水菜・三つ葉、小松菜などは全国7位。ぶどう(主にデラウェア)も7位。
結構頑張っている。

 

大阪府のホームページに、大阪の食料自給率は「2%」と書かれている。人口880万人をベースにするから低い自給率だが、仮に、鳥取県と同じ人口だとすれば4か月まかなえる計算になる。それなりの生産力をもっている。

 

大阪は市街化区域が多いことが特徴。昭和40年代に都市計画法で市街化区域と市街化調整区域に線引きされた。市街化区域というのは計画的・優先的に市街化を促進するゾーンだから、農業振興のための施策がとってもらえない。

 

バブルの時代、都市部のサラリーマンがマイホームを持てないのは、農家が農地を手放さないからだとまで言われ、農地への課税強化がはかられた。結果的に全国の市街化区域内農地は、この20年で半減した。
市街化区域の農業は、兼業したり不動産所得などと組み合わせて農家所得を確保できる反面、固定資産税や相続税など高い税金に耐えながらなんとか維持している面もある。

 

大阪の農地は水田が71.5%を占め、全国平均54.3%と比べても高い。
また、農家1戸当たりの経営規模も0.36ヘクタールと全国でいちばん小さい。
農業の規模は小さくても、農業や農地には大事な機能があることを知ってほしい。

それが、農業・農地が果たす「多面的な役割」。


農地として利用されていることで、新鮮な農産物を供給することはもちろん、環境を保全したり、災害を防いだりいろんな機能が果たせている。

 

JAの直売所では、地元の新鮮な農産物が買えると好評。写真で紹介したのは、大阪初の大型の直売所「こーたり~な(JA大阪泉州)」の店内と、JA大阪南の「あすかてくるで羽曳野店」の外観。「あすかてくるで」のネーミングは、「今日も来たけど明日かて来るで」という意味。ちょうど今日、「あすかてくるで」2号店(河内長野店)がグランドオープンした。入場制限をするほど賑わっている。

 

国土・環境保全の機能の例として、千早赤阪村の棚田の写真を載せた。
大雨が降ると、コンクリートアスファルトでは洪水が起きたりするが、田んぼは、あぜの高さまで水を貯めることができるので、一度に水が流れない。それで、洪水を防ぐことができる。「田んぼダム」と言われるのはこの機能。

 

心やすらぐ緑地空間の例では、東大阪の住宅地の中のコスモス畑を紹介した。いろんな事情で農業が続けられない場合に耕作放棄地にならないよう、ひまわりやコスモスなどを植えて、きれいな景観を作る活動に各地のJAが取り組んでいて、中央会も支援している。

 

災害時の防災空間として農地を活かすための「防災協力農地」という制度もある。農地は震災時に住民の避難場所になる。また、仮設住宅の建設用地や、復旧工事の資材置き場など、災害が起きたときにいろんな役割を果たすことができる。地元の市町村と農家が防災協力農地として登録しておくことで、災害に強いまちづくりに備えることができるため、今後さらに進めていきたい。

 

都市農地の位置付けの見直し。
さきほど紹介したように、かつて都市農地は「転用されるべきもの」であり、住宅も不足していた。しかし、日本の人口が既に減少に転じて、空き家も増えている。震災を経て、都市に農地が残っている方が安全だということも分かってきた。
都市農地は「都市にあって当たり前の土地利用」というように、認識が変わってきている。

今回の衆議院の解散がなければ、成立していたはずの「都市農業振興基本法」。
これは、都市農業・都市農地の必要性を法律上位置づけ、国・地方公共団体の責務を明らかにする基本法だ。この基本法を、ぜひ早い時期に成立させてほしい。そして、都市農業の振興をはかるための法制度づくりや税制の改善などが続けて行われることに、強い期待を寄せている。

 

大阪のJAの活動紹介。
私達JAは「食と農を基軸に地域に根差した協同組合」というコンセプトのもとに活動している。大阪には14のJAがあって、地域貢献活動をはじめ様々な活動を展開している。

地元の学校と連携して地域で地産地消をすすめたり、農業体験のバスツアーを企画したり、いろんなことをしているので、ぜひJAや中央会のホームページでチェックいただきたい。

 

ちなみに、大阪府の「府政便り」1月号のお年玉プレゼントに、今年も大阪のJAグループとして協賛した。これは、「しあわせのれんげっ娘(こ)」という、レンゲを育て、花が咲いたら田んぼにすき込み、農薬や化学肥料を減らして作った、こだわりの大阪のお米。

 

最後に、TPPは「弱肉強食」の世界。私たち「共存同栄」を目指す協同組合とはそもそも合わない。だから反対するわけで、TPPへの反対運動が目立って、JA「改革」・中央会「改革」を迫られることになったが、私達は協同組合組織だ。地元の人から応援してもらえる多様な地域貢献活動をしているし、直すべき部分は自己改革で改善しようとしている。


日本がもしTPPの内容をのんでしまったら ・・・ あのアメリカで中産階級が分解して、一握りの金持ちと多くの貧困層に分かれたような格差社会になってしまう。
堤未果さんの書かれた『貧困大国アメリカ』を読むと、格差を広げるTPPなんていらない、そのことがよく分かる。

<文責:ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク事務局>

11/29TPPシンポジウムより「アベノミクスと農業改革ー日本の食と農を考えるー」関大経済学部樫原正澄教授

11月29日開催した「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」主催の3回目、TPPとくらしを考えるシンポジウム『今の食、当たり前?~こどもに残したい未来~』

 

https://www.facebook.com/events/542561689206403/


渡辺先生体調不良により、急きょ「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」代表 樫原先生による基調講演の概要です。(当日の速記をもとにしています)

アベノミクスと農業改革ー日本の食と農を考えるー」
樫原正澄教授(関西大学経済学部)

大阪府千早赤阪村での取組紹介。既存住民の高齢化により新住民が頑張っている。学生とともに田植え体験などを行っている。直売所で「おおさかもん」として売り出している。生産者の名前も表示し、バーコード管理で生産者に販売記録も。
美しい棚田。残すにも、跡取りがいてもしんどい状況。機械が入らない小さな棚田が多い。

 

これから講演スタート。
 経済学的に考えても、農業は特殊な産業部門であります。
 1つめとしては、農業の産業としての特質は「食料供給産業」にあります。農産物は人間の生命と深く関係していますので、安心・安全で当たり前です。また、農業生産は、集中豪雨などの自然条件に大きく左右され、雨や風によって農作物は被害を受けます。都会にいると、あまり意識しませんが。
 工業と違って、いつでも自由に生産を開始するという訳にはいきません。田植えには、適切な時期があります。生産性をあげるといっても、限界もあります。

 

 2つめには、農業は「物質循環機能」を利用した自然活用産業であることです。現代農業は化学肥料を使っていますが、かつては、食べたものは排泄されて、土壌に堆肥として循環していました。江戸時代などは、大坂では下肥として非常に高値で売買されていました。物質循環機能は、地域の経済・社会循環の基礎にあります。

 

 3つめは、農業は「土地固着産業」であるということです。土地を離れて、農業生産はできません。そのため、農業は土地に固着せざるを得ないわけです。

 

 4つめ、農業は国内自給が基本であり、自国民を食べさせるために、農業生産は持続されています。それが、世界的にみても、基本であります。アメリカなどは、最初から売るために作物を作っていますが、世界的には少数の国です。生産量に対して貿易量は少なく、コメは少ない年で世界の生産量の6%しか国際市場に出てきません。そのため価格変動は激しいです。EU加盟の国は、どこも自給を基本として生産しています。

 

 5つめとして、農業の経営主体としては「家族経営」が世界の大勢となっています。家族経営の場合には、基本的には家族が幸せに暮らすために、農業生産を継続していますが、企業経営では儲けないと存続できません。株主への配当もしなければなりません。そこが、家族経営と企業経営の本質的な差違です。

 

 これら5点が一般企業、工業生産と農業生産との大きな違いであります。

 円安で酪農のエサ代が高騰しています。酪農家の経営は厳しくなっていますか。それにも係わらず、私たちの税金を投入して、円安状況を作っています。問題だと思います。


「改定!やわらか成長戦略」を、2014年11月に内閣官房が出しています。これを使用して、アベノミクスについて、お話しします。

 

 アベノミクスの「3本の矢」の中身は、第1の矢は「大胆な金融政策」、第2の矢は「機動的な財政政策」、第3の矢「民間投資を喚起する成長戦略」であります。今のところ、第2の矢までが放たれたと言われています。

 

 成長戦略について、農業に絞って、次の4つの視点をお話しします。

 アベノミクスでは、農業はより自由に、より大規模にとされていますが、先ほど農業にとっては土地が大事だという話しをしました。農業の経営規模の国際比較をしますと、EUは平均20ヘクタール、米国は170ヘクタール、日本は1.7ヘクタールで、大きな規模格差があります。日豪EPAで問題となっています、オーストラリアは2000ヘクタールの規模であり、日本が大規模化しても勝負は明らかです。


 アジアのように水田農業の場合には、用水路など水の管理が重要であり、労働力も必要となります。用水路の維持は集落で担うことが多く、簡単に面積規模を増やすことは難しい状況にあります。ただし、単位面積当たりの収量は多いので、歴史的に見ても人口扶養力の高い地域となっています。

 

 アベノミクスでは規制緩和が言われています。法人税減税が主張されていますが、法人税率30%などと言いますが、実質的にはそんな支払っていません。
 労働市場改革、これまでは超過勤務手当をもらっていた人も、年収の高い人は自分の裁量で働くこととされ、残業ただ働きをせざるをえない環境を作ります。現在の労働基準法制では簡単に解雇できませんが、金銭的処理で簡単に解雇できるようにするといった内容であります。

 

 農業改革の一番大きな目玉は、「農業委員会・農業生産法人農業協同組合の一体改革」であります。


 農地を農地として守っていくのが、農業委員会の基本的で本来的な役割であります。その農地を、自由に使えるように規制緩和しようと、養父市では画策しています。農地管理に関して、農業委員会をすっ飛ばして、市町村で実行しようとしています。農業生産法人でないと農地は買えませんが、その規制をより一層緩和しようとしてます。


 農業委員会改革、農業生産法人改革、農業協同組合改革、この3つをセットにして、農地、農業経営、農業団体の問題を一緒に議論するのがアベノミクスの特徴です。家族農業をやめて、農地を企業に渡していこうとするものであります。先程述べましたとおり、企業は儲からなければなりません。儲からないと、農業部門から撤退してしまいます。かつての「リゾート開発」で経験したように、農地が改廃され、食料供給のための農地が潰されていいきます。
 今の農業生産環境をめぐる状況では、生産コストと農産物価格からみて、どんな企業が農業生産をやったとしても、儲かりません。

 

アベノミクスでは、農地の集約化に重点がおかれています。

農地を守り次世代につなぐ、農地は公共財としての役割があるのですが、大規模化の流れのなかに置こうとしています。

 

 減反調整の見直しを提起しています。食糧管理法を改正し、新食糧法になった時点で、コメを自由に作れることになったのですが、現実には生産調整を実施していまして、水田の4割は減反という状況にあります。ちゃんと作ればコメは作れるのですが、とてももったいない農業生産資源の使い方です。


 米の直接支払の単価が今年から半減し、15000円→7500円になりました。民主党政権下の直接支払では、すべての農家を対象として実施していました。しかし、この直接支払の変更によって、大規模農家が一番困っている状況です。米価が下がったため、大規模生産のための借金が返済できない状態です。大規模農家ほど、規模拡大のために借金したのに返せない状況となっています。

 

 アベノミクスでは、地域の農協が自立し、創意工夫で成長産業にと、記されています。日本の農協は、農産物の販売だけでなく、金融(銀行)業務、共済(保険)業務など、さまざま業務を担っています。地域の人が困らないように、多様な業務を実施しており、農協自身の経営の安定に貢献しています。都市の農家は、不動産経営をしていますが、その経営指導を農協も担っています。


 アベノミクスでは、農協は農業だけとされていますが、それでは農家も困ることになります。農協の組合員には准組合員制度があり、地域住民にとっても農協の存在は意味があることとなっています。


 2014年は国連の「国際家族農業年」であり、飢餓根絶と天然資源保全のために定めました。世界的にみれば家族農業が大勢であり、家族農業の方が、飢餓根絶や天然資源保全にとって、大きな可能性があり、機能的にもがすぐれているとされています。
 日本の農協は、国際的にみても果たしている役割は大きと、北海道大学名誉教授・太田原高昭明先生の『農協の大義』で書かれています。ヨーロッパ中心の学問からすれば、アジアの農業は特殊ということになりますが、それを農協は支えている訳です。

 

むすび

「日本の食と農を考える」を述べたいと思います。

 ①地域の生活と生産を支える公共福祉の重要性
 アベノミクスにより国のあり方が変わり、地域の崩壊・衰退が促進されることとなります。海外で稼ぐことばかりを考えていて、地域で住む私たちは、どうなるのでしょうか?

 

 ②地域社会の維持存続の重要性と必要性
 アベノミクスによる地域経済の崩壊・衰退への対案として、生命と健康を重視し、地域経済の循環的発展で、地域住民の暮らしを支えることを考えることが大事となります。
 食料・農業・環境の一体的保持を図ることが必要です。
 都市と農村の協働・連携が必要となっています。都会にはまだ人がたくさんいます。大阪市内にもまだ大勢の人が残っています。こうした都市住民の力を、農業生産と結びつける努力をしなければなりません。農業経営としては難しいが、環境保全や農業生産の楽しさという、意義があります。

 

 ③自然・環境に優しい社会の形成
 地域経済の構成要素の活性化、地域コミュニティを基盤に考えることが大事なことです。
 協同組合などが地域コミュニティの核になるケースも考えられます。地域での循環をできるだけ増やし、自然・環境の視点を取り入れた振興を図ることが必要となっています。

 緊急出版で『雇用・くらし・教育再生の道』(中山徹編著、大阪自治体問題研究所)がありますので、参考にして下さい。


<文責:ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク事務局>

 

2014/11/29 TPPとくらしを考えるシンポジウム『今の食、当たり前?~こどもに残したい未来~』開催しました。

2014年11月29日、TPPとくらしを考えるシンポジウム『今の食、当たり前?~こどもに残したい未来~』を開催しました。
 

 

隣会場では「大阪野菜」の産直売場が出現!

冒頭には大阪野菜などの食のクイズで盛り上がりました。

 

基調講演を予定していた渡辺信夫さん(元立命館大学講師)が直前に登壇が

無理と分かり、急きょ「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」代表の

樫原正澄先生(関西大学経済学部教授)の講演に変更。

その後、現場からの報告
1人目は 「がんばってます。大阪・都市農業」と題して、池嶋 明さん(JA大阪中央会 食と農・環境対策部次長)から大阪農業、都市農業の報告が、

2人目は、「食卓から考える、私たちのくらし」と題して、浅岡元子さん(日本の伝統食を考える会事務局長)から、活動報告をいただきました。

当日はたくさんの方にお越しいただき、ありがとうございました。

 

イベントの案内詳細はこちらから
2014.11.29 TPPとくらしを考えるシンポジウム『今の食、当たり前?~こどもに残したい未来~』 | Facebook

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「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」と連携、JA大阪中央会の意見広告(2014/5/17)

わたしたちの生活をおびやかすTPPは要りません

 JA大阪中央会では、「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」と連携し、以下の意見広告を産経新聞(5月17日・土 朝刊)の大阪府内版に掲載しました。


JA大阪中央会HP(カラー版)

JA大阪中央会 | TPPはあなたの生活にも影響する問題です

 

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「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」とは?

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「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」は、2014/3/8、エルおおさかにて結成総会が開催され立ち上がりました。

私たちは、「ほんまにええの?TPP」という思いから集まった大阪の約30団体(JA中央会、全大阪消費者団体連絡会、大阪食糧・農業問題研究会、大阪府保険医協会、生協労連大阪府連合会や市民団体など)が賛同加入する、ゆるやかなネットワークです。

これからも、日本政府にTPP交渉における国民への説明責任を果たすこと、衆参農林水産委員会における国会決議を遵守することを求めて運動を進めます。

 

日本農業新聞でも設立紹介いただきました】
TPPほんまにええの? 大阪で「ネット」設立 (2014/3/9)


日本農業新聞 e農ネット - TPPほんまにええの? 大阪で「ネット」設立