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「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」

私たちは、日本政府にTPP交渉における「国民への説明責任を果たす」こと、衆参農林水産委員会における「国会決議を遵守する」ことを求め集まった、大阪で活動する約30団体のゆるやかなネットワークです。FBページはこちらから→https://www.facebook.com/tpposakanet/

【開催報告】□緊急学習会□このまま批准していいの?TPPー山田正彦氏講演内容より

□緊急学習会□このまま批准していいの?TPP」開催報告

 

2016年10月22日開催の緊急学習会は、わかりやすいと大好評だった山田正彦氏をお招きし、阿倍野市民学習センターで開催。

会場いっぱいの参加、そして集会後の天王寺駅前での街頭宣伝にも参加者とともに行い、準備したチラシがほぼ全てなくなりました!

街頭でも、日に日に反応が良くなっているのを感じます。

まさに「ようやくTPPってなに?」と興味を持ちだした市民が増え、これからしっかり説明が必要な時期に来たと感じています。
(当日速記を元に、以下報告をまとめました。文責:ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク)

 

以下、山田正彦さんのお話より

 

昨日も野党議員と状況を確認。

公聴会を入れてしまったため、強行採決いつでもできる恐恐になってしまった。28日ごろが山場になるのでは?と想像している。28日緊急に国会前に座り込もうと最後の最後まで頑張ろう。

 

米国では大統領選最大の争点がTPP。同時に下院議員の総選挙でTPPに批准賛成の議員はすべて落とすという勢いで、ロリワラックさん、労働組合TPP反対で動いている。1%のために犠牲になることはないと頑張っている。日本とはまったく違う状況だ。

 

米国の状況、いろいろ聞いたが簡単に批准できないと思っている。

米国でさまざまな人に会ったが「各国見合わせている状況、来年まで先送りの状況で、あれだけ断固参加反対と言っていた自民党が最初に批准してしまうのか」と言われている。

菅さんがTPPと言い出した農水大臣だった頃からの6年間、TPP閣僚会議はほぼ参加してきた。各国NGOと情報交換しながら、進めてきた。
TPPで一番影響があるのは「医療」だと思っている。

 

■医療がどうなっていくか
薬価を決めるために独立機関を設けて多国籍企業が入ってることになる。

韓国ではすでに11件薬価に関する異議が述べられ、うち8件は却下された。どんどん薬価決定に多国籍企業がこれから入ってくることになる。これが一つ。

 

ジェネリック医薬品が作るのがかなり困難に。
バイオ医薬品、1錠8万の肺がん薬、全国患者10万人いるという。これだけで3兆円くらいかかってしまうかも。


現在医薬品が高くなってきていることに加えて、データ保護期間を8年間設ける(実際の条文では8~12年)という問題がある。保護の期間は米国のいいなりに、ジェネリックが作れなくなる。チリなどが反対していたが押し切られた。


特許期間が切れたら、ジェネリックが作れるはず。しかし、今後は知的財産権の18章51条で「政府はジェネリックが作ろうとすれば、例えば米国企業ファイザーに通知をせねばならない」ことに。通知すれば、不服申し立てをしてくるのではないか?


すでにカナダではアスピリンで20年間、特許が切れたら心臓病にも聞くんだと、新薬として20年、さらにそれが終われば、糖尿病にも効くんだ、と「エバーグリーン」と言われるが、特許期間をのばす。

 

さすがにカナダ政府が認めなかったが、それをカナダ国内裁判で訴えた。そこで最高裁まで負けた後、ISDで訴えた。
このように、どんどん特許期間は伸びジェネリックが作れなくなっていくと、薬価は3倍ほどになり医療費が高くなるのではないか。

 

米国国民の7割はTPP反対。
政治献金は分かっているだけで5000億円。
米国製薬会社はタックスヘイブンに置くだけで、法人税減税効果は9兆8000億ともいわれる、桁違いの大きさだ。

 

政府は国民皆保険は守られたという。


しかし金融サービスの章では、社会保障制度は除外となっているが、政府の認める金融機関は例外となっている。
金融機関には保険会社の該当し、アフラックなど民間医療保険も参入してくる。


NZの事例。
NZは20年前まで医療は無料、病院はすべて公立病院だったが、アメリカの保険会社を認めた。同時にアメリカの株式会社の病院を認め、医療費削減した。


そうなると、どうなったか。
MRI受けるのに6ヶ月、がん手術も2年待ちになった。
民間医療保険に入って、民間病院に行けばすぐに見てくれる。
MRIは1回数万円くらいかかる。日本では700円ほど。


国保で10兆円補助しているとすれば、内国民待遇として、米国保険会社・アフラック国民健康保険も同等に扱わねばならなくなる。


そうなると、10兆円アフラックによこせ、もしくはなくせ、となる。政府ができないと拒否すれば、アフラックは何兆円というISDで訴えてくるかもしれない。


本当に国民皆保険は守られたのか?私はそうは思わない。
米国の場合には、救急車を呼んだだけで20万円もかかる世界であり、映画シッコでよくわかる。保険会社の承諾がなければ、緊急手術をすることができなくなる。

 

米国で心筋梗塞で倒れた事例では、治療のために、300万円強の費用を要した。
高度な医療、先端医療などは、民間医療保険が頼り、安価なもののみ公的医療制度となっていくのではないかと危惧される。


最終的には、どうなるか。
今も交通事故を起こした場合、最終的に頼っているのは民間の保険である。なくなるわけではないが、自賠責のような形骸化したものになっていくのではないか。


公立病院はNZでももう2つしか残っていない。
政府の言っていることは、国民をだましていると感じる。

 

遺伝子組み換え食品

条文に、遺伝子組換えの記載があるのは、TPPが初めてである。
食の安全について「法律を変えねばならないものはないから大丈夫と」、政府は説明している。


「現在のバイオテクノロジーを用いて作り出された農産物並びに魚および魚…」と数ページにわたって記載している。
遺伝子組み換えの鮭をFDAが安全と認めた(数倍の大きさの鮭!)。


米国ではフランケンフィッシュ、生態系が壊れると反対が大きく、多くのスーパーが扱わないと言っている。


GM小麦。
BSEの時など、カーギル、農場、政府高官などと、「小麦は人間が食べるものだから遺伝子組み換えはやらせない。トウモロコシは家畜が食べるから良いのだ」と、話していてたが、昨年、OKになった。


全国米国小麦生産者協会は、「いよいよ遺伝子組み換え小麦を始めます、小麦は米国でも抵抗が多いので、まずは日本人に食べてもらおうと思っている」と、はっきりと言った。
枯れない小麦ミシガン州という新聞記事がある。いつまでも青々としていて気持ち悪い。

 

日本の法律では遺伝子組み換え食品の輸入は原則禁止になっている。

表示義務が課されているというが…?


協定文には「遺伝子組み換え農作物の貿易の中断を回避し、新規承認を促進すること」、「人の身体を害すると科学的に証明できれば阻止できる」とある。


では、科学的に害があると言うことを立証できるか。
この規定が反対に「安全であると証明できなければ輸入できない」であれば良いが、その逆。結果、原則輸入できるという原則である。


人体実験するわけにはいかず、科学的に立証することは不可能である。
日本では食品安全委員会がその判断をする。問い合わせると、「安全である」という。

 

つまり、小麦も鮭も入ってくる。
たとえば何千億円という賠償金を求めたISDを、モンサントは仕掛けてくるのではないか。ここは遺伝子組み換え作物がどんどん入ってくることになるんではないかと危惧している。

 


表示はどうか。
選択する権利だと考えるが、協定文をよく読むと8章TBT7条に強制規格という表現がある。
いわゆる規格、遺伝子組み換え作物に限らないが、法律で義務づけることは強制規格に当たる。
この豆腐は遺伝子組み換えでないという任意規格を、日本政府は認めていると言うことに。


そうなれば、適合性評価手続きをどうするか。
「利害関係者の意見を聴取し考慮する」とある。つまりモンサントに意見を聞きその意見を考慮する、ということになる。モンサントが持ってきた安全だという莫大な資料を基に考慮する、ということになる。


日本だけがそういった任意表示をして良いのか、となり、遺伝子組み換え使ってませんといった表示ができなくなるのではないか。


不必要な記載だとして、ISDSで日本政府が訴えられるのではないか。遺伝子組み換えと書かれたものを日本人は買うか?


売れなければ、表示するなと迫ってくるのではないか。

 

■国産表示ができなくなる?
アメリカでは、牛肉が昨年から国産表示ができなくなった。


カナダ・メキシコは米国に牛肉を輸出しているが、売れない。どの国でも国産のものを食べたいと思う。


国産表示をWTO協定の第2章1・2条違反だとパネル、裁判に訴え、昨年判定を受け敗訴した。
国産表示は、貿易の障壁、不必要な表示として敗訴、国内法を廃止し、牛肉の国産表示を取りやめた。


そうなると、日本の牛肉、国産表示ができるだろうか?


EUは報復措置を受けても、成長ホルモンを使われた米国牛肉は入れていない。しかし日本の場合、米国からISDSで、例えばタイソンといった大企業が訴えてくるのではないかと、読み取れる。


産地表示はどうか?
国産表示ができなくなるのだから、当然産地ブランド表示も困難になると想像できる。貿易の障壁、不必要な表示として、同様に訴えられるのではないか。


産直の店はどうなるかと想像してみた。
「農薬がどう」、「だれが作った」はOKだが、「泉州なすのつけもの」、といった産地表示はできなくなるのではないか。

 

■日本の農業、農産物はどうなるか。

関税の措置と撤廃は違う。


これまで重要品は「除外」だったが、TPPの譲許表を見ても、除外がない。7年後の再交渉も日本だけが義務付けられている。


つまり、コメも含め「全農産品 関税撤廃の恐れ」ありと、政府も認めていると、東京新聞に書かれた。


ベトナムコシヒカリを10万トンほど作り、ネットで5キロ50円で販売されている。
コメの関税の撤廃は、米国の自動車と同じ期間と約束しているため、きっと10~20年ほどで実施されるだろう。


5キロ50円でコメが入ってくるとなれば、米を作る農家は日本にいなくなる。

韓国では7割が4年間で廃業・廃業決意をしているといわれれる。


「韓国に来たら焼き肉屋、すべてアメリカ産、野菜は中国産、コメだけが韓国産である。日本もTPP後、同様に、そしてコメもベトナム産になるだろう」と話した。
外国の食料にすべてゆだねることになっていいのか。

 

■水産物

今、沿岸漁業自給率62%だが、漁家の平均所得は200万円程度である。
政府が燃費が高いとき、船の建造費、荷揚げ施設などの補助金をつけ、ようやく今の自給率を維持している。


TPP協定では漁業補助金禁止と書かれている。
ただし、過剰魚各国の場合。水産庁は「日本は過剰でないから大丈夫」という。

 

本当だろうか。
「ある魚種資源の最大持続生産量」かどうかが基準となる。
日本のほとんどの魚種は過剰漁獲と言われる恐れがあり、そうなると補助金禁止となる。


日本のマグロ捕獲もやめろと言ってくるだろう、
江戸時代から入会漁業、漁業権が江戸時代から続いてきた。
その共同漁業権がどうなるのかが大変心配である。


ケルシーによれば、「越境サービスの章で留保せねばダメになる。NZの海も外資の水産会社に荒らされて、原住民他との漁業がほとんどダメになった」と。


イギリス・スコットランドアイルランド沿岸漁業が盛んなところだったが、EU加盟後、海外の大企業が多く入り、沿岸漁業がダメになったのも離脱の一つと言われている。


漁業権の留保ができているのではないかと、条文を読んでみた。
10章付属書によると、「漁業権ではなく、漁業に対する投資とサービス」を留保しただけである。


外資の水産会社に公開入札し、宮城県がやったようになれば、日常食べていた魚が食べれなくなる危険性についても考えてほしい。

 

■米国のTPP反対の一番の理由は雇用
20年前にNAFTA(米国・カナダ・メキシコ)で、メキシコに800万トンのトウモロコシが入り、メキシコ農家が倒産した。


NAFTAも同様に、ヒト・モノ・カネが自由になる。不法移民だけで当時600万人いたといわれる。米国で500万人失業した。


デトロイトの自動車工場はメキシコに海外移転した。デトロイトでは賃金を半額にしても、自動車工場は最後に出て行った。デトロイトはゴーストタウンのようになった。
50分の1の人件費のベトナムに、行ってしまうのではないか。
今もメキシコから不法移民が入ってきており、雇用問題が深刻になっている。


ベトナムでは、「日本に輸出したいものがある、それは農民だ」と、いわれた。
これまで日本は単純労働者を認めないと制限してきたが、TPPでその制限は外されるのではないか。


自民党の特命委員会がついに「単純労働者の受け入れ」を認めた。

「米国の外国投資家の意見提言を日本政府は求め、各省庁は可能な限り、規制改革会議に付託し、日本政府は規制改革会議の提案に従って必要な措置をとる」とある。


規制改革会議は、新自由主義、規制改革主義者の民間議員の集まりである。そこで必要な措置をとるとなると、どうなるか。


規制改革会議で雇用は、「3か月賃金払えばいつでも解雇できる」といった話をしていた。これまで不当解雇だとされていたもの。

そうなると、弱肉強食の競争が激しくなってくる。

 

韓米FTAの際、バスに乗り遅れるな、日本も早く市場開放せよと言っていたが、今韓国はどうなったか。大変な経済状況に陥っている。


日本もそのように競争激化され、単純労働者を受け入れ、非正規社員を増やし、ロボット化を図ることとなる。


日本の労働組合にそんな危機感がなく、連合は賛成している。
カナダでも雇用が一番の問題になっている。

 

■公的サービス
公的サービスは、70兆円市場である。
郵政民営化のように開放するのが、政府調達の章である。


ベトナム・マレーシアでは数百の例外、米国ですら例外を上げているのに、日本だけ保留がなく、すべてが対象となっている。


国立病院だけで134ある。離島の医療も公立病院で守っているが、独立行政法人とし、株式会社で売っていく。神奈川県でも医療特区として株式会社の病院ができている。民営化でそうなっていく。


郵政事業で、ユニバーサルサービスは守るといったが、田舎では、郵便局はどんどん減っている。郵便・貯金が切り離され、同時にやってもらっていたサービスができなくなった。


サービスが民営化されると、どうなるかしっかり考えないといけない。


はじめに狙われるが水道事業である。麻生大臣が「水道を民営化する」と水道事業者を呼んで約束した。
ほとんどの自治体が水道事業は赤字だから、切り離したいと思っている。


水道が民営化されたらどうなるか。
ボリビアの水道が一番有名である。料金が5倍に上がり、困った市民が、バケツなどで雨水をためると、それにも文句を言ってきた。


次に学校教育が民営化されるのではないか。

4年間で米国は4000校つぶれ、教職員がクビ。残された公立学校は荒れてしまった。

TPP協定越境サービスの章、留保リストを読んでいると、そんな気がしてならない。


TPPで危惧すること、と5年ほど前にあったリストでは、小さな自治体の公共事業の公開入札が入っていた。


公共入札も、そのように英語と自国語でやらねばならなくなってきた。英語の使用に努めるとあるが、手続きを進めるには英語もとある。


「過去の実績を元にしてはならない」とある。公契約条例などで地域の業者が入札できるようにしてきたが、米国の企業が入札し、ベトナムなどから安い労働者を連れて、工事をして帰る…。
技術使用についても「貿易に障害を与えるようなものではならない」と、決められており、かなり細かい。


地方の土建屋などはあと10年くらいで消えてしまうのではないか。長崎県五島列島は、将来無人島になるのではないかと、心配している。

かつて尖閣諸島にも、鰹節の工場があった。


EUは農業は農産物販売代金だけでは成り立たない。農家の収入の8割は、税金から補填されている。

 

■ISDS(投資家対国家の紛争解決)
リビア政府
クウェート企業の事例。


観光施設建設と契約したが、建設されず契約解除したところ、リビア政府はISDで訴えられた。損害賠償としてリビア政府は、90年間運営したと仮定して期待できた利益(1000億円)の支払いを命じられた。


「契約」だけでこういった事態になりえるのであり、恐ろしいことである。


どうしてアメリカだけが勝つのか?
米国教授から聞いた話であるが、「米国教授の友達の弁護士の話。ISD条項委員になった。メキシコの主張が正しいと思ったが、国務省に呼ばれてそれは困る、といわれ、米国が勝つことに貢献した」と。


各自治体が、固定資産税を上げる。それも「間接収用」としてISDS対象の可能性がある。

エジプト政府も賃金を上げて訴えられた。


「間接収用」がカギである。

政府が企業の利益にならないことをすると、訴えられる可能性がある。まさに私たちは主権を失う。


最高裁判所の判決よりも、ISDS条項のほうが上に行く。不服申し立てすらできない。


こういった中で、TPP協定を批准させてはならない。

 

これから、実はTPP協定は26日、地方公聴会が決まったら、28日から強行採決できることになる。国会前で座り込みをする。これが意味があるのかといわれる。TPPを阻止せねばならないので、実行する。自民党が数で強行採決すればどうなるか。


一番手続き進んでいるといわれるマレーシアでも、国内関連法が通っておらず批准とは言えない状況。
国内法を通すには参議院の可決も必要である。その手続きもこれからであるので、マレーシアと同様の状況にある。


まだ国会情勢は分からない。市民が「TPPがどういうものか」知れば、必ず反対する。
米国が批准できないとどうなるか。

署名後2年以上その状態が続きGDP85% 越えなければ、この協定は消滅する。


英国がEU離脱したように、政権交代すれば、離脱することも可能である。
TPP協定がまかり通れば、日本が日本でなくなる。まずは知ってもらう。まだ私たちの戦いはこれからだ。諦めない。


日本は幕末以来の独立の危機ではないか。みんなで踏ん張って、時間をかけてでも葬り去りたい。ありがとうございました。