「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」

私たちは、日本政府にTPP交渉における「国民への説明責任を果たす」こと、衆参農林水産委員会における「国会決議を遵守する」ことを求め集まった、大阪で活動する約30団体のゆるやかなネットワークです。FBページはこちらから→https://www.facebook.com/tpposakanet/

2015/12/18声明「TPP協定に係る情報を公開し、協定からの撤退を日本政府に求める」を発表。政府に提出しました。

 

「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」は、声明「TPP協定に係る情報を公開し、協定からの撤退を日本政府に求める」を発表。政府に提出しました。

 

情報公開不十分な中、10/5のTPP大筋合意。そして10/9に政府はTPP総合対策本部を立ち上げ、11/25「総合的なTPP関連政策大綱」を決定しました。でもちょっと待って。

 

①TPPの協定文が英文で公開される中、日本政府は内容不透明な概要版のみ。

②日本語での条文公開もしていない。

③TPP協定の公式言語に日本語を入れる要求もしていない。

④大筋合意にかかる内容が国会議員にすら公開されていない。

⑤大筋合意にかかる審議日程も示されていない。

⑥影響試算も、関税収入がどれくらい減るのかも分からない。

 

そんな状態で、「対策」だけ先に決まっていくことに大きな違和感を覚えます。

「どんな影響が出るのか」分からないのに、効果的な対策はできるのか?

「その対策が適正なのか」どう判断するのか?

「私たちのくらしへの影響は?」

政府は「大丈夫」というけど、その根拠を教えてほしい。

 

政府がまずやらなければならないことは、全ての情報公開と説明責任を果たすこと、そして、私たちにどんな影響を及ぼすのか明らかにすること。そして、国会決議との整合性、そして国会審議をきっちりと行うことではないでしょうか。

 

なにもかもが不十分なまま進められている、今のTPP交渉は許されません。私たちは協定からの撤退を日本政府に求めます。

 

※私たち「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」は日本政府にTPP交渉における「国民への説明責任を果たす」こと、衆参農林水産委員会における「国会決議を遵守する」ことを求め集まった、大阪で活動する約30団体のゆるやかなネットワークです。

 

 

声明「TPP協定に係る情報を公開し、協定からの撤退を日本政府に求める」

 

2015年10月 5日、TPP「大筋合意」と発表された。しかし日本政府が公表した「大筋合意」に係る資料を見れば、これらの合意は衆参国会決議に反することは明白である(※)。非関税分野では、通関の迅速化や、ISDS条項、ラチェット条項が盛り込まれ、投資、金融、サービス、政府調達、知的財産権などの分野で、WTO協定を上回る大幅な自由化に合意している。まさに、これまで私たちが懸念を指摘し続けていた項目が協定に取り込まれている。

 

TPPの協定文が英文で公開される中、日本政府は内容不透明な概要版のみで日本語での全条文公開もしていない。大筋合意に係る国会審議も行わず、10月9日政府はTPP総合対策本部を立ち上げ、「総合的なTPP関連政策大綱」を決定した。

 

米国では影響調査や法改正に必要な内容、最終協定テキスト、支援情報(効果や目標達成見込みとその根拠、過去の協定との違い)など、議会での審議ができるよう期日を区切って提供している。その他参加国が、これから議会での議論を始めようとしている中、臨時国会も開かず、対策を決定するという現在の政府の姿勢はあまりにも拙速と言わざるを得ない。

 

政府は、TPPの活用によって、中小企業を含む新輸出大国化を推し進め、「強い経済」を実現するとし、国内農林水産業の体質強化で攻めの農林水産業へ転換するという。協定内容を明らかにしないまま、かつ影響調査も出ていない状態で対策を発表しても、その妥当性を国民は判断することはできない。

 

今、政府がやらなければならないことは、「合意」内容にかかる情報を公開して国民に説明し、協定内容が国民生活にどう影響を及ぼすのかを明らかにすることである。その上で、それが国会決議に照らしてどういう意味を持つのかの国会審議を公正に行うことである。

 

以上に鑑み、「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」は、安倍内閣のTPP交渉の大筋合意に抗議し、以下のとおり、見解を公表する。

 

1 安倍内閣がTPP交渉で大筋合意に至ったと公表した農林水産物の関税措置は、衆参農林水産委員会の国会決議に反しており、認められない。

 

2 非関税分野の全体像や内容は不透明なままであり、公表されていないに等しい。日本政府は、国民に対してTPP交渉の大筋合意に係るすべての情報を公開し、その上で、国民にわかるように説明すべきである。私たちは、このような合意を認めることができない。

 

3 以上により、日本政府に直ちにTPP交渉から撤退するよう求める。

 

2015年12月18日

「ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク」

 

(※)日本政府が公表した「大筋合意」に係る資料によれば、工業製品の輸入関税は全廃、農林水産物の関税の95%は撤廃、残り5%については大幅な関税引き下げとなっている。とりわけ、農林水産省から公表された農林水産物の輸入関税の削減・撤廃は、各方面に大きな衝撃を与え、国内生産者の怒りを呼び起こしている。国会決議で特に指定した重要5品目(米、麦、甘味資源作物、乳製品、牛肉・豚肉)でも、30%に当たる関税を撤廃する。加えて、コメの特別輸入枠を米国、豪州に認め、小麦では米国、豪州、カナダに特別輸入枠を設けた。日本政府は、米、麦、乳製品で現行の国家貿易制度を残したことや、牛肉、豚肉におけるセーフガードを設定したこと、重要5品目の関税を残したことをもって、重要5品目を守ったと強弁している。